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シロアリの文化、「老兵は死す」に驚き

 「目的論の落とし穴=子孫を残す(その2)」において、次のとおり書いた。
 …極小の脳、例えばシロアリ。彼らにどれほどの脳味噌があるのだろうか。
 でも、巨大なアリ塚を正確に南向きに作るし、100万都市の高層建築を見事なまでに作り上げ、働きアリの一群が空調管理を行い、新鮮な空気を送り込み、温度も一定に保っている。
 シロアリだって、最初からこんなことができたわけがない。今でもお粗末な巣穴しか作れないアリが幾らでもいる。彼らだって初めはおんぼろな安アパート程度のアリ塚づくりからスタートしたであろう。それが彼らの技術革新能力で、あそこまで見事な未来都市とも言える複雑な建造物を作り上げるようになったのであるし、その建築技法も記憶しているのである。
 その記憶容量たるや、ものすごいものではなかろうか。ヒトの世界には職人技というものがあり、その技能を備えたヒトを匠と称するが、シロアリ軍団だって、幾つもに役割分担されているようだが、皆、匠であり、ヒトのほうが劣るかもしれないのである。(再掲ここまで)

 さて、そのシロアリだが、大変興味深い行動が分かった。
 (出典:2018年3月9日配信の朝日新聞DIGITAL)
 <老兵は死ぬリスク高い最前線で戦う…シロアリ社会を分析>
 シロアリの「老兵」は死ぬリスクが高い最前線で戦い、若い「新兵」は王室近くで近衛兵の役割を担う――。こんな実態を京都大の松浦健二教授(昆虫生態学)らの研究グループが実験で明らかにした。余命の短い高齢のシロアリがリスクの高い仕事を引き受け、若い命の損失を防ぐことで効率的に防御力を保っていると考えられるという。7日、英科学誌に掲載された。
 松浦さんらのグループは、野外で採取したシロアリの女王アリや働きアリ、兵隊アリを、人工的に作った巣に入れて観察した。兵隊アリは巣の防衛に特化した役割を担い、一部の働きアリが脱皮して兵隊になってから約5年間生きるとされる。
 約1カ月後、脱皮したばかりの新兵アリと脱皮から1年以上たった老兵アリの巣の中での配置の関係を調べた。その結果、女王アリの王室がある巣の中心部付近に新兵アリが集中、離れた場所は老兵アリが多かった。
 老兵と新兵では外敵に対する防御力に差はないが、老兵の方が積極的に天敵を攻撃することも別の実験で分かった。老兵がリスクの高い仕事を引き受けることで、より寿命が長いシロアリは先に死ぬ恐れが少ない。松浦さんは「能力でなく年齢による分業で巣全体の損失を少なくできている」と話す。今後、年齢による分業が生まれるメカニズムの解明にも取り組むという。(西川迅)
(引用ここまで)
 
 シロアリの高度科学技術文明といい、シロアリの死生観といい、なんと素晴らしいものか。
 “まだ死にとうない”とヒトの年寄りはわめく。そうなりたくはないものである。
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