FC2ブログ
RSS

夕陽を見つめるチンパンジー(Vol.2)

 前に表題の記事を1つ書きました。
 霊長類学者・鈴木晃著「夕陽を見つめるチンパンジー」(丸善ライブラリー)からの紹介です。
 こうしたチンパンジーは、非常にまれなものと思われたかもしれませんが、幾例もありそうです。
 別の著書から、同じような事例を紹介しましょう。

…ある日の午後、ゴンベ野生保護区域でチンパンジーの観察にたずさわっていたひとりの学生が休憩を取って、タンガニーカ湖に沈む夕陽を眺めようと尾根にのぼった。学生の名はゲザ・テレキ。彼が見ていると、チンパンジーが1頭、2頭と、やはり尾根にのぼってきた。どちらもおとなの雄で、連れだってきたわけではなく、尾根のてっぺんで初めて顔を合わせたようだった。テレキには気づかず、フーフーと鳴いて2頭は挨拶を交わし、手を握り合い、ともに腰をおろした。あとはテレキもチンパンジーたちもただ黙って、夕陽と暮れゆく空を見つめていた。
 美的感覚は、ふつうは感情とはされていない。けれども、まちがいなく知的体験であるともいいきれないような気がする。人は時に美しいものを見て幸せになったり悲しくなったりする。ということは一部は認識力によるもの、一部は感情的なものなのかもしれない。人間はむろん、そのように美しいものの価値がわかるのは自分たち人類だけだと、これまで思いたがってきた。
 ゲザ・テレキといっしょに夕陽を見つめたチンパンジーは、決してチンパンジーのなかの例外ではない。いつになくすばらしい夕焼けを、陽が沈むまでたっぷり15分のあいだ眺めていた野生チンパンジーがいたと、霊長類学者のアドリアン・コルトラントも報告している。…

 いかがでしょうか。チンパンジーもヒトもその精神に変わりはないのではないでしょうか。
 まだあります。途中で切りましたが、本書は次のとおり続いています。

…野生のクマを観察してきた何人かも、腰をおろして夕陽を見つめ、瞑想にふけっているようなクマを見たことがあると語っている。その様子からすると、どう考えてもクマたちは夕陽を眺め、美しさを堪能していたとしか思えない。そうした解釈を、単純すぎるといって科学者たちは笑う。クマにどうやって美しさがわかるというのだ。瞑想などできるというのだ。自分の審美眼を誇る人間のなかには、ほかの連中には美を理解できないだろう、それほど洗練された感覚はふつうの人間は持っていまいと考えている人すらいる。「下等な」人種はわれわれ(つまり「高等な」人種)のように美しさに感動することはできないのだと、19世紀の科学者の多くは主張していた。…
 <マッカーシー/マッソン共著「ゾウがすすり泣くとき」(河出文庫)より抜粋>

 このように、欧米人ですら、人間と動物のこころにどれほどの違いもないことに気づいた人がいるのですから、古来より人間と動物の距離をどれだけも感じてこなかった我々日本人は、「人類は万物の霊長である」とする西洋思想にかぶれることなく、謙虚な思いで動物に接し、動物の行動から多くを学ばねばならないでしょうね。

スポンサーサイト
FC2公認の男性用高額求人サイトが誕生!
稼ぎたい男子はここで仕事を探せ!
[PR]

トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント
▼このエントリーにコメントを残す

   

プロフィール

永築當果

Author:永築當果

検索フォーム

カテゴリ

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム