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チンパンジーの「教えない教育・見習う学習」

 京都大学霊長類研究所・松沢哲郎教授のとある所での講演録に、チンパンジーの教育と学習について興味ある内容が載っていましたので、引用することにします。

 チンパンジーの教育と学習を「教えない教育・見習う学習」(Education by master-apprenticeship)と呼んでいます 。
 チンパンジーの教えない教育・見習う学習には「親や大人は手本を示す」「子どもは真似る」「大人は寛容」という三つのポイントがあります 。
 親や大人は手本を示すだけで「ああしなさい」「こうしなさい」とは言いません。真似なければいけない理由はないのですが、子どもは放っておいても真似ます。そして関わってくる子どもに対して親は非常に寛容です。「じゃまだからあっちに行け」とは言いません。
 チンパンジーの教育と学習の特徴がわかると、アウトグループという発想から、人間の教育と学習の特徴もはっきりわかってきます。人間はやるけれども、チンパンジーはけっしてやらないことがある。まずは、「教える」ことです。これは人間の教育を際立たせています。人間のようにあの手この手で「教える」動物は存在しません。 
  さらに人間のアウトグループとしてのチンパンジーをよく観察しますと、「教える」こと以外にも、その一歩、二歩手前に人間だけがする教育があることに気がつきます。
 例えば「手を添える」ことがあります。チンパンジーはそっと子どもの手をとって「こんなふうに割ってごらん」と教えたりはしません。それから「ほめる」こともそうです。人間は「上手にできたわね」と子どもをほめますが、チンパンジーはほめません。
 他にもあります。子どもの様子を見ながら「うなづく」こと、「ほほえむ」こと、「よくやった!」と「認める」こと、あるいはそうしたことさえいっさい何もせずに静かに「見守る」こと、これは人間しかしません。
 「手を添える」「ほめる」「うなづく」「ほほえむ」「認める」、そして「見守る」、といったことは人間の教育の特徴だとわかりました。

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Author:永築當果

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